矯正治療例
Case
治療例は、患者さんおよび保護者の同意を得て掲載しています。
17歳2か月の女子
上下顎歯列叢生の治療「インビザライン」で治療した症例
- 主訴:下の前歯のガタガタを治したい
- 診断名:上下顎歯列叢生(上下の歯列のガタガタ)、過蓋咬合(前歯の咬み合わせが深い)、上下の歯の中心がずれている。
- 治療期間:1年9か月
- 治療に用いた装置:インビザライン(マウスピース型カスタムメイド矯正歯科装置)
- 治療に用いた装置:非抜歯(ただし下の左右の親知らずは抜歯)。歯の削合なし。
初診時、上の前歯のガタガタは比較的軽度でしたが、下のガタガタが非常に強いため、初診の段階では上下左右の4番目の永久歯を4本抜歯する「抜歯矯正」になる可能性が高いとお伝えしました。しかしご本人は歯を抜きたくないと希望されていたため、できるだけ非抜歯での治療法を検討しました。検査・分析・治療計画の立案を経て、非抜歯治療が可能であるとの判断に至りました。ただし、下の奥歯を後方へ移動する必要があり、その際邪魔になる下の左右の親知らず(2本)は事前に近医にて抜歯しました。
治療法は「マウスピース型矯正治療(インビザライン)」を選択しました。マウスピース型矯正治療とは、デジタルデータにて個人用に作製された数十枚のアライナー(マウスピース)を1枚目から装着し、1週間に1枚ずつ新しいアライナーに交換していくことで少しずつ歯を動かしていく最新の矯正法です。装置の使用時間は一日20~22時間以上です。この装置は薄型の透明な装置なので人に気付かれにくく、会話しやすく、痛みや違和感が少なく、食事時には装置を外せるのでごはんもおいしく食べることができます。また、通院の頻度は2か月に1度であり(通常の矯正治療は月に1回の受診が必要)、受診時の調整も短時間で済むというメリットがあります。今回の治療は下の奥歯を後ろに移動させる必要があったため、顎間ゴムという輪ゴムも併用してもらいました。
治療後、上下の歯列不正、特に下のガタガタが解消し、深いかみ合わせや歯の中心のずれも正常化しました。見た目だけでなく機能的にもしっかり咬めるようになりました。
今回使用した装置は違和感が少ないので抵抗なく快適に使用できたそうです。アライナーと顎間ゴムをとてもまじめに使用していただけたので、スムーズに歯が動きました。
※当院はできる限り「非抜歯」の治療を心がけており抜歯治療は最終手段と考えていますが、状況により抜歯矯正になることがあります。治療後の状態を予測し、どうしても抜歯が必要な場合は抜歯治療のメリット・デメリットをご説明いたします。最終的にはご本人やご両親のご希望を加味した上で判断いたします。