矯正治療例
Case
治療例は、患者さんおよび保護者の同意を得て掲載しています。
53歳の女性
被せ物の多いガタガタの治療「マルチブラケット装置」で治療した症例
- 主訴:ガタガタが強いので見た目が気になる、ブラッシングが難しいのでむし歯になりやすい、歯周病にならないか心配。
- 診断名:上下顎歯列叢生
- 治療に用いた装置:マルチブラケット装置(右上5番目、左上4番目、左下4番目の歯を計3本抜歯)
学生時代からずっと上下のガタガタが気になっていたそうですが、なかなか治療をする決心がつかなかったそうです。娘さんが当院で矯正治療をしてとてもきれいになったので、自分もきれいな歯並びになりたいという気持ちが強まったとのことです。
かぶせ物や銀歯が多かったので「年齢的にも自分は矯正治療はできないだろう。」と半ばあきらめていたそうですが、歯周組織がしっかりしているので矯正治療可能であることをお伝えしたところ、治療を即決されました。
この方の場合、
・右下3番目の歯がもともと無い(先天欠如歯)。
・上下の前歯の中心のずれが強い。
・左上3番目と4番目の歯が逆転している(移転歯)
・骨の形態的特徴として骨隆起(骨の盛り上がり)があり、歯が動きにくい。
など問題点が多かったため、治療期間が長期化しやすいことや完璧な仕上がりにはならない可能性を事前に説明いたしました。
ガタガタの程度が強いため抜歯が必要と判断しました。抜歯の部位と本数は、通常だと前から4番目の歯を上下左右の計4本抜歯することが多いのですが、今回の場合は、歯の動かし方、先天欠如歯、かぶせ物の歯の予後、など総合的に熟慮し、右上5番目、左上4番目、左下4番目の歯を計3本抜歯することとなりました。
抜歯後にマルチブラケット装置を装着し、2年5か月(月1回の調整)で矯正治療が終了しました。その後、リテーナーという取り外し可能な装置を装着しながら3か月に1回の経過観察中です。
毎月の調整後の数日間は食事時に弱い痛みを感じたそうですが、だいたい2~3日程度でおさまったそうです。装置の見た目は、目立ちにくい「クリアブラケット」を使用したためあまり気にならず、人から気付かれることもほとんどなかったそうです。
治療後は、
「自信をもって笑えるようになった、大人だからと言ってあきらめずに矯正治療をして本当に良かった。」とおっしゃっています。今後は前歯の被せ物をさらにきれいな物に変更しようと思っているそうです。
※当院はできる限り「非抜歯」の治療を心がけており、抜歯治療は最終手段と考えています。治療後の状態を予測し、どうしても抜歯が必要な場合は抜歯治療のメリット・デメリットをご説明いたします。最終的にはご本人やご両親のご希望を加味した上で判断いたします。